基本の流れは、①情報を集める → ②ランク付け → ③取引条件を決める → ④定期的に見直す のサイクルを回し続けることです。
STEP
与信管理の基本サイクル
- 1. 取引先の情報を集める(決算書・帝国データ・支払実績・業界動向・現場の声 など)。
- 2. 売掛限度額・支払サイト・取引条件を決め、A〜C 等のランクや与信枠を設定する。

- 3. 日々の入金状況や延滞日数をモニタリングし、与信枠の使用状況をチェックする。
- 4. 支払遅延・赤字決算・ニュース等の変化があれば、ランクや取引条件を見直す。
「最初に枠を決めて終わり」ではなく、定期的な見直しと、
現場の感覚(支払のクセ・担当者の対応など)も含めて判断することがポイントです。
POLICY
与信ランク別のリスク対策とファクタリング活用
- 安定先(低リスク)
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- 支払実績が良好で、決算内容も安定している取引先。
- 通常の支払サイトで継続取引しつつ、必要に応じて売上拡大も検討する。
- 資金需要が大きい時だけ、一部売掛金をファクタリングで前倒しして資金ギャップを埋める。
- 要注意先(中リスク)
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- 入金遅延がときどき発生、決算に赤字や債務超過が見られる先。
- 与信枠を抑え、前受金・一部先払い・分納など条件を引き締める。
- 売掛金の増えすぎを避けるため、他の安定先の売掛金をファクタリングで早期資金化し、
全体の資金繰りを安定させる。
- 要警戒先・延滞発生先(高リスク)
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- 支払遅延が常態化・リスケ中・重大な財務悪化が見られる先。
- 新規出荷を停止、もしくは前受金や現金取引へ切り替えるなど、
未回収リスクの増加を食い止める。
- 既存の売掛金のうち、回収可能性の高い部分はファクタリング等も含め、
早期回収の選択肢を検討する(※条件要確認)。
CHECK
早期アラートのためにチェックしておきたい指標
- 支払期日を過ぎた売掛金の件数・金額・日数(延滞日数)。
- 与信枠に対する売掛残高の比率(枠を常にフルで使っていないか)。
- 手形決済のジャンプ・分割要請など、支払条件の変更要求。
- 決算内容の急激な悪化・業界ニュース・株価・評判の変化。
- 担当者の入れ替わり、連絡が付きにくくなる、説明があいまいになる等の「現場感」。
こうした指標を定期的にチェックし、ランクダウン・取引条件の変更・
ファクタリングや保証の活用など、早めに手を打つことで損失を抑えやすくなります。
※ここで紹介している内容は一般的な与信管理・リスク対策の一例です。
実際の判断や契約内容は、業種・取引規模・社内ルール等によって異なります。
具体的な運用にあたっては、必ず社内の決裁ルールや顧問専門家の助言もあわせてご確認ください。