ファクタリングは「資金繰り改善」の手段として注目されますが、実は企業価値(企業評価)にも大きな影響を与える金融手法です。
特に、成長フェーズ・赤字期・急速な売上増加期にある企業では、ファクタリングの使い方次第で評価がプラスにもマイナスにも傾きます。

ファクタリングが企業価値に与える影響とは?

この記事では、ファクタリングが企業価値にどのような影響を与えるのか、経営者・金融機関・投資家の視点 を交えてわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • ファクタリングは企業価値を上げる?下げる?
  • 投資家・金融機関からの評価にどう影響する?
  • 成長企業のキャッシュフロー戦略として使える?
  • 懸念される「マイナス評価ポイント」と対策
  • 企業価値を高める正しいファクタリング活用方法

1.そもそも企業価値とは?評価基準を整理

企業価値(Enterprise Value:EV)は、主に以下で評価されます。

  • 収益力(利益)
  • キャッシュフローの安定性
  • 負債と資本構成(財務健全性)
  • 市場からの信用力
  • 成長可能性

ファクタリングはこのうち、キャッシュフロー・財務健全性・信用力に強く関連します。

2.ファクタリングが企業価値に与える「プラスの影響」

(1)キャッシュフローの改善が評価につながる

売掛金を早期現金化することで、以下が改善します。

  • 運転資金の確保
  • 支払い遅延の防止
  • 在庫や仕入れの拡大が可能
  • 投資余力の向上

キャッシュが潤うことは、企業価値の根幹である“将来キャッシュフロー”の安定化 につながります。

(2)財務の柔軟性が高まり、負債を増やさず資金調達できる

ファクタリングと融資との違いは「借入金が増えない」「返済義務がない」「信用情報に影響しない」ため、バランスシートを悪化させません。
結果として、負債比率の悪化を避けながら資金調達できる→財務リスク低下→企業価値の維持につながるという流れが生まれます。

(3)黒字倒産の回避=企業価値の維持に直結

黒字倒産(キャッシュ不足による倒産)は、利益計上していても現金がないために起こります。
ファクタリングを使うことで「資金ショートの回避」「サプライチェーンの安定」「支払遅延・滞納の防止」「社員給与の安定支給」など、企業の信用と安全性を守る効果があり、企業価値の毀損を防ぎます。

(4)成長企業における“成長スピード維持”に役立つ

急成長企業は売上増加に対し、入金が追いつかず資金繰りが悪化しがちです。
ファクタリングを使うと「売上拡大のスピードを維持」「新規案件への投資が可能」「資金ギャップを埋めて成長性を評価されやすい」など、投資家からの評価が高まるケースもあります。

3.ファクタリングが企業価値に与える「マイナスの影響」

(1)高い手数料による利益圧縮

手数料が大きいと営業利益が減少し「営業利益率の低下」「EBITDAの悪化」「キャッシュフローの減少」につながるため、企業価値を押し下げる可能性があります。

(2)ファクタリング依存を懸念されるリスク

金融機関・取引先・投資家は以下を懸念することがあります。

  • 慢性的な資金繰り悪化
  • 資金ショート寸前と判断される
  • 財務体質の弱さ
  • 手数料負担の継続リスク

“常時ファクタリングを使う企業”と見られると、企業価値の評価が下がる ことがあります。

(3)2社間ファクタリングは決算書で「売掛金が減りすぎる」問題が出る

2社間ファクタリングの場合、売掛金が急に減り現金が増えるため、「売掛金の消失・資金繰り悪化の兆候」と疑われる「債権売却損が大きいと利益が圧縮される」など決算書の見え方が悪くなることがあります。

4.企業価値を“高める”ファクタリングの使い方

(1)成長投資や仕入れ拡大など“目的のある利用”をする

単なる資金穴埋めではなく、売上増加につながる前向きな投資に使うことが最も効果的です。

(2)計画的・一時的に使う(依存しない)

  • 決算前の一時利用
  • 連休前・繁忙期前のスポット利用
  • 大口案件の受注時のみ利用

このような“計画的運用”は、企業価値を毀損しません。

(3)手数料が低く透明性の高い会社を選ぶ

高い手数料はすぐに利益を圧迫するため、信頼性の高いファクタリング会社を選ぶことが企業価値維持の基本です。

(4)銀行・税理士へ適切に説明しておく

適切な説明と目的の共有を行うことで「融資審査」「取引先評価」「投資家評価」に悪影響を与えるリスクを減らせます。

5.投資家・金融機関はファクタリングをどう見る?

ポジティブ評価

  • 成長スピード維持のための短期利用
  • 倒産リスク回避の安全策
  • 手数料を支払ってもキャッシュフロー改善を優先する姿勢

ネガティブ評価

  • 慢性的な資金不足
  • 手数料による利益圧迫
  • ファクタリング依存体質

「なぜ使ったのか?」の説明ができる企業は、むしろ評価が高くなる傾向 があります。

まとめ|ファクタリングは使い方次第で企業価値を高めることができる

ファクタリングは一見「緊急用の資金調達」と思われがちですが、実際には企業価値に直接関わる財務戦略の1つ です。

企業価値を高める効果

  • キャッシュフロー改善
  • 黒字倒産の回避
  • 負債を増やさず資金調達
  • 成長スピードの維持
  • 投資家評価の向上

企業価値を下げるリスク

  • 手数料による利益圧縮
  • 慢性的な依存
  • 決算書の見栄え悪化

結論として、ファクタリングは“目的のある短期利用”であれば、企業価値をむしろ高める経営ツールとなります。