事業を運営するうえで、「手形での支払いを提案された」「長いサイトで資金繰りが苦しい」「ファクタリングとどちらが有利なのか?」といった疑問を持つ経営者は多くいます。
手形(手形サイト)とファクタリングは、どちらも“売掛金の支払いをめぐる仕組み”ですが、性質もリスクも大きく異なる資金調達・決済手段です。
本記事では、両者を比較しつつ、どんな事業者に向いているのかを詳しく解説します。

1.手形サイトとは?まずは基本から
手形サイトとは、売掛金の支払いを“約束手形”によって後日に行う仕組みのことです。
サイト(支払いまでの期間)は一般に以下のように設定されます。
- 60日
- 90日
- 120日
元請け企業が資金繰りを調整するためによく使われてきた手法で、製造業・建設業・卸売業などで長く利用されています。
手形の特徴
約束手形を受け取る→現金化はサイト後
銀行で割引(手形割引)をすれば早期資金化は可能
ただし割引料(利息)が発生
不渡りが出た場合、重大な損失と信用問題に発展
2.ファクタリングとは?
売掛金(請求書)をファクタリング会社に売却して、売掛金が入る前に現金化できる資金調達方法です。
- 最短即日~数日で資金化
- 借入ではなく売却(負債計上なし)
- 売掛先の信用力が審査の中心
2者間なら売掛先に知られない。
手形割引よりも スピード・安全性が高いため、近年利用が急増しています。
3.手形サイトとファクタリングの比較
以下の表で一目で違いがわかります。
| 項目 | 手形(手形サイト) | ファクタリング |
|---|---|---|
| 資金化スピード | サイトまで待つ必要あり | 最短即日 |
| 早期現金化 | 銀行の手形割引が必要 | 契約のみで即日入金 |
| リスク | 不渡りリスクあり | ノンリコースなら利用者の返済義務なし |
| 手数料 | 手形割引料(利息) | ファクタリング手数料 |
| 信用問題 | 不渡り1回で倒産リスク | 売掛先の信用力が重要 |
| 資金繰り改善 | 遅い | 速い |
| 業種適性 | 製造業・建設業で多い | 全業種対応 |
4.手形サイトを利用するメリット・デメリット
メリット
- 取引先との慣例として利用しやすい
- 手形割引を使えば資金化も可能
- 手数料(割引料)が比較的低い場合もある
デメリット
- 不渡りリスクが大きい
- 手形管理・保管など事務負担が大きい
- 銀行の割引枠が必要
- 割引不可となるケースもある(信用状況)
- 入金まで待たされる(サイトが長い)
5.ファクタリングを利用するメリット・デメリット
メリット
- 最短即日で資金化
- 借入でないため財務に負担なし
- 赤字・税金滞納があっても利用しやすい
- 不渡りリスクなし(ノンリコースの場合)
- 手形よりも手続きが簡単
- 売掛金さえあれば業種問わず利用可
デメリット
- 手数料は手形割引より高くなる場合あり
- 信用力の弱い売掛先だと利用しにくいことも
- 常習化すると資金繰りが改善しにくい
6.どちらを選ぶべき?状況別のおすすめ
とにかく資金を早く確保したい→ファクタリング
即日対応のファクタリングは圧倒的に有利。
2.取引先との慣例や商習慣で手形が必要→手形サイト
ただし、安全性には注意が必要です。
3.不渡りリスクを絶対に避けたい→ファクタリング(ノンリコース)
4.手数料を極力安く抑えたい→手形割引 or 三社間ファクタリング
7.まとめ|安全性・スピードならファクタリング、慣例重視なら手形
手形サイトとファクタリングは、どちらも売掛金をめぐる仕組みですが、次のように使い分けるのがおすすめです。
- 明日支払いがある
- 仕入れ・外注費が先出し
- 給与日が迫っている
- 昔ながらの商習慣を重視する企業
- 長期取引で手形が標準化しているケース
- 売掛先の経営状態に不安
- 大口取引で未回収が致命傷になる
- 財務リスクを切り離したい
- 長期的な資金繰り改善
- 売掛先が大企業で信用力が高い
事業の状況や取引先の信用状態を踏まえて最適な方法を選ぶことが資金繰り改善の近道です。
- 資金繰り改善のスピード→ファクタリング
- 商習慣として使う場合→手形サイト
- リスクなしで資金調達したい→ノンリコース型ファクタリング
- 手数料を抑えたい→手形割引 or 三社間ファクタリング
