近年、ITエンジニア・デザイナー・マーケターなどの ITフリーランスが増加しています。

しかし、独立と同時に増える悩みが 売掛金の未払い・支払い遅延リスクです。
- 納品したのに入金が遅れている
- 検収が長引き、締日から2か月後の支払いと言われた
- 倒産で売掛金が回収できなかった
などフリーランスを続けるうえで致命的な問題につながることもあります。
本記事では、ITフリーランスが売掛金リスクを減らすための 現実的な対策をわかりやすく解説します。
1.売掛金リスクが高い理由とは?
①支払いサイトが長い
IT案件の多くは、月末締め→翌月末払い
20日締め→翌月末払い
末締め→翌々月10日払いなど、30~60日の入金サイトが一般的です。
独立直後や案件が増えるタイミングでは、資金繰りが不安定になりやすい構造です。
②下請け・孫請け構造で間に複数企業が入る
- 元請け→1次請け→2次請け→フリーランスという構造の場合、与信判断がしづらい
- トラブルが起きると支払いが遅れやすい
- 元請けの経営状況に影響される
といったリスクが高まります。
③契約書の不備・口約束で進行するケースが多い
フリーランスでは「相談ベースでスタート」「契約書が後日になる」といったケースもあり、「納品基準が曖昧」「検収の期間が長い」「支払い条件が不明瞭」「キャンセル時の規定がない」という状況になりやすく、売掛金リスクを高めます。
2.ITフリーランスが売掛金リスクを減らす具体策
①事前の信用チェック(与信)を徹底する
個人でもできる範囲で十分です。
- 会社のホームページ・社歴
- SNSの口コミ
- 代表者の情報
- 帝国データバンク・東京商工リサーチの簡易調査
- 過去の支払い実績
- フリーランス仲間からの評価
特に新規取引先は 最初に与信を取るだけでリスクが大幅に減少します。
②契約書・発注書を必ず交わす
売掛金トラブルの多くは「契約書がない」場合に発生します。
必ず以下を明記しましょう。
- 納品物の範囲
- 検収期限
- 支払いサイト
- キャンセル時の費用
- 追加作業の単価
- 著作権の扱い
テンプレートを用意しておき、発注書とセットで確認するとより安全です。
③前金(着手金)・月額固定を導入する
フリーランスでも前金を設定することは可能です。
- 着手金 30%
- 月額固定+成果報酬
- 長期案件は月末締め翌月5日支払い
前金があるだけで 売掛金リスクを30~50%軽減できます。
④ 検収の遅延をなくす仕組みを作る
IT案件では「検収が遅れて支払いがずれる」問題が多発します。
- 納品後に即日検収依頼を送る
- 検収期限(3~5日など)を契約書に明記
- タスク管理ツールで検収タスクを可視化
- 定例ミーティングで検収状況を確認
検収が進まないと売掛金が動かないため、早期対応が重要です。
⑤クラウドソーシングや仲介会社をうまく使う
仲介を挟むと手数料はかかりますが、「支払い保証」「未払いトラブルのひとまず回避」「月額報酬の安定性」というメリットがあります。
特に独立直後は 仲介サービスを使いつつ直契約を徐々に増やすのが安全です。
⑥売掛金を現金化してリスク分散(ファクタリング活用)
支払いサイトが長い場合、売掛金をファクタリングで早期資金化 するのも有効です。
メリット
- 未払いリスクの切り離し
- 手元資金がすぐ確保できる
- 生活費・事業費を安定化
- 新規案件を断らなくて済む
フリーランス向けの少額ファクタリングも増えており、「月の生活資金が不安」「入金が遅い」状況に向いています。
⑦複数の取引先に分散する
特定の1社に依存すると、支払いが遅れたときの影響が非常に大きくなります。
- 収入源を3社以上に分散
- 小口でも安定収入の案件を確保
- リスクの偏りを減らす
これにより特定の売掛金トラブルが致命傷になりにくくなります。
3.まとめ|売掛金リスクは「仕組み」で減らせる
ITフリーランスは、売掛金リスクが発生しやすい働き方です。
しかし対策を実行すれば大幅にリスクを軽減できます。
- 取引先の信用チェック
- 契約書の徹底
- 前金・検収管理で未払いを防ぐ
- 仲介会社の活用
- ファクタリングで早期資金化
- 取引先の分散
これらを組み合わせることで、「納品したのにお金が入らない」という最悪の事態を回避できます。
フリーランスとして長く活動するためには、案件を増やすだけでなく売掛金管理の仕組みづくりを強化することが重要です。
